開発したのは農業生物資源研究所:瀬筒秀樹

 

直径1mmの蚕の卵に1/100㎜の細い針を使って

光るオワンクラゲの蛍光タンパク質を作る遺伝子を注入

蚕の染色体の色々な場所に蛍光タンパク質の遺伝子を組み込んだ

 

組み込んだ場所によって蚕の光る場所が変わることが分かった

 

体が発光、目が発光など、試行錯誤を繰り返してノウハウを蓄積

そして光るシルクの開発に成功した

 

 

この技術を応用し、

クモの糸の遺伝子を組み込んで作ったのが、クモ糸シルク

 

クモの糸が持つ切れにくい特性を受け継ぎ、

強度が普通のシルクの1.5倍

蚕に薬の原料を作らせる事もできる

(319)

スポンサード リンク

夢の扉+で紹介

薄さ0.1㎜のプラズマアクチュエイタを

貼るだけで空調機器の性能が上がり、

風通しの悪い部屋にも心地よい風が吹き抜けていく

 

電車が通過する際は、強い風圧を弱めてくれる 飛行機が飛ぶとき、翼に沿って気流が流れないと

十分な揚力を得られず失速してしまう

 

翼にプラズマアクチュエイタをつければ

飛行機はより揚力を得てもっと安定して跳べる 原理は、1960年代にロシアの研究者が基礎を提言

JAXA宇宙科学研究所 工学博士:藤井孝臧は、

この基礎を実用化しようとしている

 

●プラズマアクチュエイタのメカニズム

薄い2枚の電極に電圧をかけるとプラズマが発生

そのプラズマが、イオンが動いて乱れた空気を吸い寄せる

 

●プラズマアクチュエイタの応用

・風力発電

風向きや風の強さに影響され、安定した電力を供給しにくい風力発電

風車の羽根にプラズマアクチュエイタをとりつけるだけで

回転数が10倍以上に跳ね上がる

 

・電車通過時の強風も制御する

電車にプラズマアクチュエイタをつければ、

そばに立っていても風を弱くすることが出来る

(291)

夢の扉+で紹介

シミやシワといった老化の主な原因は、

体を錆びさせる活性酸素とされてきたが、

近年 老化に関わる物質:終末糖化産物が明らかに、通称:AGE

AGE研究の第一人者:山岸昌一 久留米大学医学部 教授

 

●顔が老けている人は体内も老けており寿命が短い

タンパク質に糖を入れて、人間の体温と同じ温度で保存する

1週間後、無色透明だったタンパク質が茶色に変色

タンパク質と糖が結び付くと体温で徐々に焦がされAGE化する

AGEになると排出できなくなり体内にドンドン蓄積されてしまう

茶色いAGEはシミやくすみを生む

コラーゲンがAGEになると弾力が失われ、たるみやシワを生む

血糖値が高い人ほどAGEが多くつくられる

AGEの差が、見た目の老け具合に大きく影響を与えている

血管のコラーゲンが硬くなると脳梗塞や心筋梗塞の一因となる

また骨のコラーゲンが硬くなると骨粗鬆症を引き起こす

さらに脳に溜まったAGEがアルツハイマー病の一因との説も…

 

●AGEの摂取

蒸した鶏肉のAGEを1とすると、焼いた鶏肉は5、から揚げは10

一番多いのは、カリカリベーコンで100

水を使わずに高温で調理する食べ物にAGEが多い

1、食べ方

野菜→おかず→ご飯の順で食べると

血糖値の急上昇をを抑えAGEが生まれにくい

2、食べ物

食物繊維が多い海草や野菜は、

糖質の吸収が緩やかになるのでAGEの発生を抑える

3、トマトやホウレン草に含まれるαリポ酸は、

AGEの蓄積を抑える効果がある

4、ブロッコリースプラウトに含まれるスルフォラファンは、

より強い効果があると分かった

 

●体内からAGEを取り除くアプタマー

通常AGEは様々な異物を除去する白血球の対象となりにくい

しかしアプタマーという物質がAGEにつくと

白血球は異物とみなし除去してくれる

その1/1000兆からアプタマーを見つけ出し、

人の血液からAGEを除去する事を目指している

 

●5年以内にアプタマーでAGEを減らす薬の開発を目指している

(304)

夢の扉+で紹介

筋肉からは様々な物質が分泌され、

体を守っている事が近年明らかになってきた

首都大学東京:藤井宣晴 教授は、筋肉研究のスペシャリスト

藤井いわく「筋肉は健康を生む源の臓器」だと言う

 

●筋肉から分泌される寿命を延ばすホルモン

藤井はホルモンを筋肉細胞から20種類も発見した

筋肉の常識を変えるほどの発見だった

藤井はその役割を突き止めようとしている

例えば、人は疲労やストレスなどによって体が錆びつき老化する

体の錆びを除去するホルモンが筋肉から分泌されていた

このホルモンをショウジョウバエに

投与したところ、寿命が25%も伸びた

筋肉から出るホルモンが人の寿命をも延ばすと考えている

 

●筋肉から分泌される物質の効果

筋肉が生み出す物質はホルモンだけではない

それらの物質で新薬を作ろうと世界中で研究が進められている

内閣府 最先端・次世代研究開発支援プログラムが開始した

・寿命が延びる

・大腸がん、乳がん、子宮がんなどの発症リスクが低下する

・アルツハイマー病、脳卒中、うつ病の予防

 

●血糖値を下げるAMPキナーゼ

血糖値が上昇すると糖尿病を引き起こし、

脳卒中や心筋梗塞になるリスクが高まる

藤井は血糖値を下げる物質を世界で初めて筋肉から発見した

・AMPキナーゼ

人間が行う様々な行動にAMPキナーゼは、

必要に応じて糖を分配する役割を担っている

糖の在庫が無くなった時、AMPキナーゼを活性化させると

血液から糖を調達、結果 血糖値を下げることを突き止めた

90年前に発見されたインスリンに次ぐ大発見

今、AMPキナーゼを活性化させる新薬の開発を進めている

 

●AMPキナーゼを活性化させる運動

少し速めのジョギングを10分で活性化される

運動が苦手な人は、汗が出るか出ないかのスピードで30分、

スローなジョギングをすると同じ効果が期待できる

寝た状態で、ダンベルを上下させる程度の運動でも効果が認められた

●筋肉量が減った男性は維持した人に比べ、病気による死亡率が2倍に

特に呼吸器疾患による死亡率は2.6倍も高かった

(326)

夢の扉+で紹介

●針が無い注射:インジェクションバブルメス

針の無いスポイトのような注射器

1/1000mmの泡を発射しさせ、

皮膚に小さな穴をあけ、薬剤を注入する

インジェクションバブルメスという

開発するのは芝浦工業大学 准教授:山西陽子

 

先についた電極が薬剤の中で

電気分解を起こし、小さな泡を発生させる

一般的な注射針は直径0.5㎜、

インジェクションバブルメスがあける穴は、0.06㎜しかない

 

元々は電気メスの小型化を目指していた

それを細胞に穴をあけられるくらい

小さくできれば先端医療にも貢献できる

3年後、メスの先端が吹き飛ぶというアクシデントが起きた

何が起きたのか?確認すると小さな泡が先端を破壊し、

泡は細胞に穴をあけていた

この偶然の発見がキッカケだった

(277)

大阪医科大学 がんセンター特務教授 宮武伸一

放射線治療で世界一の臨床経験を持つ脳外科医

彼が行うホウ素中性子捕捉療法は、

他に手立てがなくなった患者に対する最終手段

●ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)とは?

がん細胞に取り込まれやすい性質を持つホウ素化合物薬剤を点滴

ホウ素が がん細胞に行き渡ったところで

原子炉から放射線の一種:中性子を当てる

中性子はホウ素に当たると細胞1個分の規模で核分裂し、がん細胞を破壊

ホウ素を取り込まない正常な細胞は傷付く事はない

患部の中のがん細胞を狙い撃つ画期的な方法

・京都大学原子炉実験所:大阪府泉南郡熊取町朝代西2-1010

ノーベル物理学賞を受賞した湯川秀樹博士が中心となって創設

 

●BNCTを研究している主な医療機関

脳腫瘍、頭頸部ガン、肝臓がん、肺がん、皮膚がんなど

総合南東病院、筑波大学、国立がん研究センター、大阪大学、徳島大学

京都大学原子炉実験所、大阪医科大学、大阪府立大学、川崎医科大学

 

●小型加速器によるBNCT専門の医療センター

住友重機械工業 粒子線プロジェクト:矢島暁

従来のBNCTは原子炉を使った治療照射で大きな敷地を要するものだった

一般病院にも十分設置できるように小型の加速器を開発

(434)

夢の扉+で紹介

 

●手ブレしない空気圧駆動を用いた外科手術支援ロボット

それは腹腔鏡手術の支援ロボット

ロボットは医師の手に合わせて動き、手術をサポートする

開発するのは東京医科歯科大学:川嶋健嗣 工学博士 手ブレを防ぐことで、より安全で正確な作業が可能となる

手の動きとロボットの動きの比率を自在に調節することできる

 

●触覚を持たせる空気シリンダー

アメリカが開発した手術ロボット:ダ・ヴィンチには、

触覚が無いので臓器の硬さが分からない

川嶋のロボットアームは電気ではなく空気で動くシリンダー

空気を右から入れると引っ込み、

左から入れると押し出し、力を伝えている

外部からの力も同様に伝えられるので、

医師の手に触覚が伝えられる

 

さらに執刀医の鉗子操作を妨げることなく、

頭部の動作で直感的に執刀医が内視鏡を操作できるシステムも開発した

(235)

●電子回路が描けるペン

・AgIC(エージック):文京区

東京大学OBが立ち上げたベンチャー企業

世界初の電気が通るインクを開発

 

銀を含めたインクが入ったペン

銀は電気を通すので書くだけで配線の代わりになる

 

通常 基盤を作るには1週間ぐらい、費用も1万円を超える

 

線を描くためのペンと消すためのペン、

家庭用プリンター向けのインクカートリッジ、

回路を印刷、もしくは書くだけでするだけ

専用の紙があれば基盤開発のためのテストが簡単にできる

(514)

●1年前の牡蠣が食べられるCAS付き冷凍庫の冷凍保存

アビー(千葉県流山市)が開発したCAS付き冷凍庫

 

凍らせるだけでなく電子、パルス磁界、X波、電界、

磁界、粗密波、光などなど8つの力を加えて鮮度を保つ

 

元々のアイデアは、過冷却水

過冷却水をヒントにCAS付き冷凍庫を開発した

CAS付き冷凍庫で冷凍する事で

獲った時の鮮度に近い状態のまま保存できる

 

4年前に冷凍したタコを解凍すると吸盤が指に吸い付いた

3ヵ月前に冷凍したタコだとさらに強く吸い付く

生命体は死んでいるが、細胞は生きている事が分かる

 

さらに完成した料理を冷凍し、そのまま保存できるようになった

(432)

●魚を仮眠化して新鮮に保つノバフレッシュ

開発したのは富士商工:永井慎

 

まずは魚を生きたままノバフレッシュに入れて

酸素、窒素、二酸化炭素を加え、

50分加圧すると魚は仮眠状態になる

 

配送を想定して氷水で冷却、布に包んで冷蔵庫に保存

 

通常 水がないので魚は死んでしまうはずだが、

眠らせた魚を再度 ノバフレッシュに入れて

再加圧することで魚は覚醒するという

 

まだ研究段階だが、この技術を使えば、

魚を生きたまま世界へ輸送できる

(516)

スポンサード リンク