材料技術」カテゴリーアーカイブ

開発したのは、理化学研究所
AQUAJOINT(アクアジョイント)は、成分の約90%以上が水
個体の水は氷だが、アクアジョイントは常温で固体を維持する
 
作り方は、2種類の水溶液を混合し、成型して、室温で放置するだけ
 
●火に強い
普通のプラスチックよりも火に強い
燃えてもほとんどが水なので有害な物質を出さない
 
●将来性
食品トレイなど使い捨てのプラスチック製品の代わりになると期待されている

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開発したのは東北大学 金属材料研究所 千葉晶彦 教授
主な原料は、熱や摩擦に強いコバルト、硬くて腐食に強いクロム
体内に入れる医療機器である人工関節や
義歯用の素材として注目されている
 
これまでもコバルトとクロムの合金は、
医療機器の材料として使われてきたが、
金属アレルギーの問題は避けられなかった
原因は、合金に含まれるニッケル
金属の中でもアレルギーを引き起こしやすいことで知られている
ニッケルには粘りがあり混ぜると
合金の加工性が上がるため使用されている
 
窒素を利用したコバリオンは、
金属アレルギーの原因であるニッケルを使用していない

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石油由来のプラスチックは、半永久的に分解されない
そこで期待されているのが石油を使わないバイオプラスチック
しかし植物由来のバイオプラスチックは、
強度が低く、溶ける温度が低い
 
●遺伝子組み換え大腸菌から造られるバイオプラスチック
 
開発したのは、
北陸先端科学技術大学院大学:金子達雄 教授
筑波大学:高谷直樹 教授
 
強度は、ガラスの3倍以上、鋼材にも負けない強度を誇る
溶ける温度はなく、分解温度が425度
 
プラスチックの原料に似た物質を作るシュードモナス、
それを原料そのものに変換する赤色酵母の遺伝子を
扱いやすく増やしやすい大腸菌に組み込み、
ブドウ糖を栄養に数億倍に培養、
するとプラスチックの原料となるアミノ桂皮酸を造り出す
 
シュードモナスは、傷口を緑色に化膿させる細菌
赤色酵母は、洗面台などに出来る赤カビの正体

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普通の紙と同様だが、破れにくく、水に濡れても大丈夫
原料は石灰石、日本が自給できる天然資源
 
ライメックスは、石灰石のライムストーンと
無限のエックスを合わせた造語
 
石灰石の粉に、樹脂であるポリエチレンを
温度、時間、圧力などを調整して混ぜ、
薄く薄く伸ばして製造する
 
これまでの紙作りで必要だった水が、
ほとんど要らないため世界中から注目されている
 
一般的に1トンの紙を作るのに
100トンの水が必要だと言われている
世界の紙の生産量は、年間4億トン、
1年で400億トンの水が使われている計算になる
世界では7億人が水不足で苦しんでいる
ライメックスの技術は、水のない国でも紙を作ることができる
 
さらに技術を進化させ、ライメックスのプラスチックを開発した

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東京大学:岩田忠久 教授の研究
材料は、普通の水、砂糖、そして人間の虫歯菌が作る酵素
 
水に砂糖を加えて、酵素を入れて
かき混ぜて、常温で待つだけ
3時間ほどで液体が白くなり、ドロドロに
それがプラスチックの原料となる
 
酵素が砂糖に反応し、砂糖をプラスチックの原料に変える
 
乾燥させて粉状にし、科学的な処理をして
加熱するとバイオプラスチックが完成する
 
製造方法が簡単で、大掛かりな装置もいらず
環境への負荷も少なく、普及が進みやすくなる可能性がある
 
有機溶媒を使うと排水処理の問題もあるが、
この方法にはそういった問題が無い

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1968年に建てられた小松精練の旧本社は、
木の枝が折れないように縄で支える雪吊りのような仕組みで
何本ものロッドで建物を覆って耐震補強し、リニューアルされた
そのロッドが、炭素繊維を使った新素材:カボコーマ・ストランドロッド
 
 
引っ張り強度は、8.5トン
同じ重量を鉄製ワイヤーで支えようとすると
鉄製ワイヤーが9キロあるのに対し、
カボコーマはわずか1.4キロ
熱を加えると柔らかくなり、加工しやすくなる特徴がある
 
炭素繊維1本の太さは、わずか5ミクロン
横からの力に弱く、折れやすい
2万4000本の炭素繊維の組み紐の周りと、
ガラス繊維の組み紐が覆い、曲げても折れないしなやかさを生んだ
さらに樹脂材を染み込ませ、カボコーマを開発した

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開発・販売しているのは、ジャパンドームハウス株式会社
 
 
発泡スチロールを接着剤で貼り合わせるのに2日間
さらに高い断熱性のおかげでエアコンは1台でOK
木、鉄、コンクリートに次ぐ
第4の建材として世界的に注目されている
 
・強度
一般的な発泡スチロールの空気が
50倍に膨らませているのに対し、
新しい建材の発泡スチロールに含まれる空気の量は、20倍
 
・難燃性
本来 発泡スチロールは燃えやすいが、
新しい発泡スチロールは、難燃剤を混合しており、
燃えにくく、わずかに変形する程度
10年に及ぶ研究の末、第4の建材として認められた
 
・値段
ベーシックなタイプで700~800万円
 
千葉大学の一角では、発泡スチロールの
断熱性を生かした植物工場が稼働中

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●外部からの刺激で性質が変わるスマートポリマー
開発するのは、物質・材料研究機構:荏原允宏
様々な賢い機能を持つプラスチックを、スマートポリマーと名付けた
1、熱を加えると元の大きさに戻る、また縮んでいるモノを元に戻す
2、磁力を当てると熱を発する。温度も自由に設定することができる
3、バラバラに切っても元の姿に戻る
4、決められた時間になると体内で自然に分解、尿となって排出される
5、狙った物質だけを狙って吸着させる
●磁力を当てると形が変わるシート
大学病院の心臓外科医とは、実用化に向けた共同研究を進めている
小さく丸めて血管を通し、心臓に到達した時点で磁力を当てる
シートは一気に広がり、患部を塞ぐことができる
実現すれば外科手術の必要がない
●決められた時間になると体内で自然に分解、尿となって排出されるシート
神経をつなぎ合わせる手術でも使える
縫合した場所をスマートポリマーで保護するだけで再生を早める
治った後は、溶けて排出されるので安全
●貼る がん治療
繊維に分子レベルで抗がん剤と熱を発する成分が閉じ込めたシート
それをがんの患部に直接 貼り付ける
外から磁力を加えるとスマートポリマーは発熱し、抗がん剤を放出
がん細胞は熱に弱く、約43℃で多くが死滅する
温熱治療と化学療法、2つの相乗効果を狙う新たな がん治療
●災害時で使用する小型透析装置
乾電池で動き、水を使用しない
血液の通り道には、スマートポリマーが設置してある
透析患者から取り除く毒素のひとつ、
クレアチニンだけを選んで吸着させる機能を持たせた
動物実験で6時間 血液を循環させ、
クレアチニンを吸着する効果を確認
次に透析患者の血液を使用し、実験
体内に溜まるクレアチニン1日分の量を
6時間の循環で除去することに成功
荏原いわく「人が想像できることは必ず実現できる」

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カニ殻から抽出する新素材:キチンナノファイバー

鳥取大学:伊福伸介 准教授の研究

キチンとは、カニやエビの甲殻類の外皮を構成する主成分

それを繊維の状態で取り出すことに成功した

その繊維は、毛髪の1/1万分

 

カニ殻に含まれるカルシウム、タンパク質、

色素を3日程度かけて除去する

すると繊維状のキチンだけになり、カニ殻は真っ白になる

それを水と一緒にキチンを粉砕したのが、キチンナノファイバー

 

肌に塗るだけで極細繊維の保護膜で皮膚の水分の蒸発を防ぐ

効果を測る実験では保湿力が、4.5%も上がっていた

メーカーと開発を進め、保湿液を開発

「素肌しずく うるおいミルク」

 

●カニ殻から抽出するキチンナノファイバー

シート状にした真っ白なキチンナノファイバーを

樹脂の原液に浸すと透明になる

鋼鉄並みに硬く、熱にも強いのが特徴

透明にすればスマホ画面にも応用できる

 

お金を払って廃棄していたカニ殻でお金を生み出す

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●電気を通すセメダイン

開発は、接着剤メーカーのセメダイン

第2回ウェアラブEXPOに

無数のLEDライトが輝く着物を出店した

 

LEDライトの周辺に塗られた銀色の接着剤が、

電気を通す回路の役割を果たしている

少々動いても剥がれることはない

既成の接着剤に銀などを混ぜて製造した

従来の電子回路は熱で焼き付けて作るが、

これは塗るだけで明かりをつけることができる

 

ペットボトルなどに使われるペット樹脂のフィルムは、

価格は安いものの熱に弱く電子回路には向いていない

そんな素材もこの接着剤を使えば、用途が拡大する

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