ゲートタワーIGTクリニックに訪れる患者の多くは、

手術や放射線など治療はできないと言われた末期のがん患者ばかり

 

ゲートタワーIGTクリニック:堀信一が行うのは、動脈塞栓術

がん細胞は栄養を摂るために新しい血管を作らせている

その栄養を送る血管を塞ぐことで がんを弱らせ死滅させる

 

●がんを兵糧攻めして死滅させる動脈塞栓術

CTスキャンと血管造影機で患部の3D画像を作成

がんに栄養を運ぶ動脈を割り出す

脚の付け根の動脈から細くしなやかな管:マイクロカテーテルを挿入

血管の中をたどって患部に到達させる

血管の内側には痛みを感じる神経がないため全身麻酔が必要ない

注射器をカテーテルにあてがい、抗がん剤を注入し患部に流し込む

抗がん剤に含まれる小さな粒子が血管を塞ぐ

これで栄養を送る血管は断ち切られ、がんは弱っていく

抗がん剤が全身に広がることはない

 

脳腫瘍、白血病、眼腫瘍などは治療できない

(263)

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音響技術を使ったコンクリート建造物の検査システム

「コンクリート音響探傷システム」

 

開発したのは東芝

 

例えば、トンネルなどの老朽検査

従来は職人が金づちで叩いた音で確認していた

 

新しい検査システムは、

スピーカーから出る音を検査部分に当て、

その音をレーザー測定器で受けて解析、

コンクリートの空洞や異物混入の状況などを、

離れた場所から検査できる

 

老朽化した部分は赤で表示されるため、

熟練した職人でなくても老朽化した部分が判断できる

(180)

筋肉が萎縮し衰えていく難病:筋ジストロフィー

国内患者は2000人で根本的な治療は まだない

 

京都大学iPS細胞研究所:堀田秋津の研究

 

筋ジストロフィーの患者から作ったiPS細胞を

筋肉細胞に育てると筋ジストロフィーになってしまう

原因となる遺伝子を変えなければ正常な筋肉はできない

堀田は細胞の中の遺伝子手術を試みる

 

●ゲノム編集

筋ジストロフィーの患者から作ったiPS細胞に、

ハサミの役割を持つたんぱく質を入れる

そのハサミがDNAを目指して飛んでいく

病気の原因となる遺伝子は分かっていて、

それを探してくっつくように設計されている

するとそのDNA配列の一部をカット

 

病気の原因を取り除いたiPS細胞から健康な筋肉細胞を作り、

将来 治療に役立てようと考えている

(285)

●生田和良が開発するデング熱の特効薬

大阪大学 微生物研究所:生田和良 教授が研究

政府開発援助:ODAの一環として特効薬開発に着手

生田らの開発チームは、デング熱の発症者の多いタイに渡った

 

現地の医師らとウイルスを無効化する

抗体を作る抗体医薬を目指したが、

当初、培養すらできない状況が続いた

慣れていないため基礎の技術を高める必要があった

現在、タイの患者の血液を使って

デング熱に有効な抗体を製造する段階に入った

 

製造した抗体を人に治療薬、

もしくは予防薬として使う臨床試験に入る

(256)

セルロースとは植物繊維の一種

それをナノレベル(1/10億m)まで細かくした素材

 

京都大学 生存圏研究所:矢野浩之 教授は、

セルロースを微細化すると優れた特徴を発揮することを発見した

 

●強度

紙の原料となるパルプを水に溶かし、

機械や特殊な化学薬品などを使って細かくほぐす

ノリのような液体を乾かすと、鋼鉄と ほぼ同じ硬さを誇る

 

●耐熱

さらに160度に熱した油に入れると、

わずか10秒でプラスチックは変形するが、

セルロースナノファイバーは耐える

 

●透明なフィルム

またフィルム状にしたセルロースナノファイバーを

特殊な液に浸すと透明になる

 

髪の毛の約1/2万の細さながら抜群の強度を誇る新素材

従来のプラスチックに替わる より性能の優れた材料

今までプラスチックでは入れなかった環境にも入っていく可能性がある

 

ライバルとされるのは、

すでに航空機などで実用化されている炭素繊維

石油や石炭を原料にして作られる

 

一方 セルロースナノファイバーは植物由来

コストでも優位に立つと言われている

(285)

年間100万人も命を落とす熱帯熱マラリア

熱帯熱マラリアは年間100万人の死亡者を出す

その7、8割は、0~5歳の子供達ばかり

 

そもそもマラリアはウイルスでもなければ最近でもない

それはマラリア原虫という寄生虫

髪の毛の1/10ほどの大きさの寄生虫が、

ハマダラカを媒介し体内に入り込む

マラリア原虫は まず肝臓に取り付く

3日~1週間かけて数千倍に増殖

そして赤血球に寄生し、破壊していく

破壊活動を続けながらマラリア原虫は さらに増殖

赤血球が破壊するときに有害な物質が出ることで40度近い高熱を発する

さらに感染した赤血球が血管に詰まることで

腎不全、肺水腫、脳障害を引き起こし、最悪の場合 死に至る

 

マラリア原虫には抗体が攻撃する標的が数千種類も存在し、

さらにそれが原虫ごとに事あるという

一つのマラリア原虫でワクチンを作っても

他の原虫が現れると標的が変わるため攻撃ができない

そのためマラリアワクチンは不可能に近いと言われてきた

 

大阪大学微生物病研究所:堀井敏宏は、

マラリア発生地であるにかかわらず

マラリアに発症しにくい人がいることに注目

ウガンダやソロモン諸島で彼らの血液を調査した

あらゆるマラリア原虫に攻撃する抗体が存在するのでは、と考えた

 

アメリカに留学していた時に

偶然 発見したマラリア原虫のSEARと呼ばれる標的

 

調べを進めると、たまたまSEARに対して免疫を獲得した人は、

マラリアに感染しないことが分かった

数千種類の標的を持つマラリア原虫だが、

すべてにSERAという同じ標的が存在するのではないか?

 

そこで堀井は、世界中から445種もの

マラリア原虫を集め、何百と解析を繰り返した

するとすべての原虫が同じSERAを持っていることが分かった

人工的にSERAに対する免疫を誘導すればマラリアに感染しなくなる

 

132人の臨床試験で72%の予防効果が確認された

(235)

●細すぎて見えない糸:ナノフロント

 

開発したのは、TEIJIN

 

1本の太さは、髪の毛の約1/7500

約8300本のナノフロントを束ねて使用する

そうすることで滑りにくい布になる

 

普通の1本の糸だと地面に当たるのは1点だけ

しかしナノフロントは、

細い糸の集まりなので地面に触れると少し形が崩れて何か所も当たる

その結果、普通の糸の3倍も摩擦力を受けて滑りにくくなる

 

ゴルフグルーブや靴紐などに使われている

(282)

開発したのは、スフェラーパワー株式会社と

福井県工業技術センターの増田敦士

 

直径1.2㎜ほどの黒い粒々の1つ1つが

太陽光発電する素子になっている

その粒々を2本の電気が流れる導電糸で挟み込んだ糸

 

太陽光電池が作った小さな電気を

たくさん溜め込んで大きな電気にしている

 

その太陽光電池糸を横糸にして織り込んだ布が、太陽光発電テキスタイル

 

布なので薄くて軽くて自由に曲げられる

 

将来的にはテント、カーテン、帆船の帆など、太陽が当たる布に使われる

(375)

●動きに合わせて音と光が反応する靴

 

no new folk studioが開発

 

靴の底に100個以上のLEDや動きを感知するセンサーなど

最新技術が埋め込まれているスマートシューズシステム

「Orphe(オルフェ)」

 

 

アプリで光の色を自在に選択ができ、

光に動きをつけるアニメーションも設定可能

 

また別のソフトと連携し、靴の動きに合わせて音を発することも

(282)

●おが屑から作るダイエット食品

 

静岡理工科大学:志村忠夫 教授は、

おが屑を食べられる状態に加工する技術を開発した

 

木は主に、セルロース、ヘミセルロース、

リグニンという3つの成分でできている

 

そのうち苦み成分が含まれるヘミセルロース、

リグニンを取り除いて、

良質な食物繊維:セルロースだけを抽出する

 

おが屑をミルミキサーで細かく粉砕し、ふるいにかける

さらにもう一度ミルミキサーで粉砕し、ふるいにかける

細かくしたおが屑を煮ると、苦み成分は灰汁になる

5分ほど煮沸したら濾す、それを3回繰り返すと

セルロースだけが抽出できる

1日天日干しをすると細かなパウダーに

 

人間の体はセルロースを吸収しにくいので栄養にはならない

その特徴を生かしダイエット食品をめざし研究を重ねている

(258)

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