医療技術」カテゴリーアーカイブ

夢の扉+で紹介

 

●手ブレしない空気圧駆動を用いた外科手術支援ロボット

それは腹腔鏡手術の支援ロボット

ロボットは医師の手に合わせて動き、手術をサポートする

開発するのは東京医科歯科大学:川嶋健嗣 工学博士 手ブレを防ぐことで、より安全で正確な作業が可能となる

手の動きとロボットの動きの比率を自在に調節することできる

 

●触覚を持たせる空気シリンダー

アメリカが開発した手術ロボット:ダ・ヴィンチには、

触覚が無いので臓器の硬さが分からない

川嶋のロボットアームは電気ではなく空気で動くシリンダー

空気を右から入れると引っ込み、

左から入れると押し出し、力を伝えている

外部からの力も同様に伝えられるので、

医師の手に触覚が伝えられる

 

さらに執刀医の鉗子操作を妨げることなく、

頭部の動作で直感的に執刀医が内視鏡を操作できるシステムも開発した

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●たった一滴の尿からがんを識別する線虫

 

九州大学 広津崇亮 助教授の研究

健康な人の尿とがん患者の尿を垂らし、

その真ん中に線虫、およそ100匹を置くと

がん患者の尿に寄っていくことを発見

 

これにより尿を提出するだけで早期がんが発見でき、

がん検診に対する敷居が低くなった

 

線虫と腫瘍マーカーの比較では、

腫瘍マーカーが25%に対し、

線虫は95.8%と高い精度を反応を示した

 

線虫とは、1ミリ程度の細長い糸状の生物

 

線虫は好きな匂いに寄り、嫌いな匂いから逃げる行動をとる

がん細胞には線虫が好む独特の匂いがあり、それに吸い寄せられる

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夢の扉+で紹介

脳疲労がメタボや糖尿病などの生活習慣病から

うつ病までも引き起こすという

 

そんな脳疲労を改善させる物質が

九州大学 名誉教授:藤野武彦によって発表された

 

それは人間や動物、魚介類などの体内に存在する自然物質:プラズマローゲン

 

●ストレスを溜めない脳疲労解消法

脳疲労の原因のほとんどは、ストレス

仕事や家庭、人間関係によるストレスから脳神経細胞を傷つけ、

様々な病気の原因となると考えた

脳の疲労を解消させるために開発した脳疲労解消法

1、たとえ健康に良い運動でもイヤなら無理にやらない

2、好きで仕方がない、止められないものは禁止しない

3、1日1度は自分が美味しいと思う満足のいく食事を摂る

自分は悪い事をしている…とは決して思わないこと

その瞬間に脳がストレスを感じて逆効果になるという

生活習慣病のリスクが高い4237人に指導し10年間 追跡調査した結果、

肥満度や中性脂肪の数値が改善した

 

脳疲労を解消すると五感が回復し、薄味、少量で満足する身体になる

 

●認知症に効果を発揮する脳を守る物質:プラズマローゲン

人間や動物、魚介類などの体内に存在する自然物質:プラズマローゲン

脳細胞をコントロールする重要な役割を果たすと言われている

ストレスを感じると脳内に酸化物質が発生して、

脳細胞が酸化、やがて死滅してしまう

これが脳疲労の主な要因

プラズマローゲンは脳細胞の身代わりとなって酸化され、

脳を守ってくれる物質だという

海外の研究でアルツハイマー型認知症は、

脳内にアミロイドβタンパク質が溜まる事で発症する事が分かっている

一方で患者の脳内ではプラズマローゲンが

減少している事も以前から分かっていただが、

認知症の発症原因ではないとされ、注目されてこなかった

脳細胞を守るプラズマローゲンこそが認知症改善の鍵になると、藤野は考えた

高純度なプラズマローゲンの簡便な抽出、精製することに成功

 

プラズマローゲンを1個月投与したラットと与えないラットで

記憶力の向上が見られるかを比較した結果、

プラズマローゲンを1個月投与したラットの方が、記憶力の向上が見られた

藤野は食用のプラズマローゲンを開発し、認知症患者に摂取してもらった

 

アルツハイマー型認知症患者の40人の臨床試験(半年)では、

5割の患者に顕著な改善が見られ、残り5割の患者は現状維持となった

 

2014年12月、新たに400人規模の臨床試験が実施された

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ワールドビジネスサテライトで紹介

●極小ビーズで肝臓がんを治療する肝動脈化学塞栓療法

カテーテルを足の付け根の血管に挿入し、肝臓に通していく

カテーテルの先端から造影剤を注入し、がんと血管を映し出す

 

そして使うのは2014年に保険適用されたばかりのビーズ

直径100~700マイクロメートルの樹脂の粒

ビーズが入った瓶に、抗がん剤:エピルビシンを注入

機械で振動を与え、ビーズに抗がん剤を染み込ませる

ビーズが入った注射器をカテーテルに取り付け、肝臓に流し込んでいく

 

肝臓がんは主に肝動脈から栄養や酸素が供給される

 

肝動脈に挿入したカテーテルの先端から

抗がん剤を染み込ませたビーズを注入し、

がんに栄養を与えている血管を塞ぐ

がんへの栄養を遮断し、兵糧攻めにする

 

さらにビーズから抗がん剤が染み出し、がんを攻撃する

 

こうしてがんを効果的に死滅させる

 

治療費は3割負担で20~30万円

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夢の扉+で紹介

2006年、分娩を待つ32歳の妊婦が激しい頭痛に襲われ、意識を失った

治療できる専門医を探したものの19もの病院から受け入れを断られる

受け入れ先が決まったのが4時間後、

ようやく運ばれた先で意識を失ったまま出産

しかしその8日後に亡くなった

 

こうした悲劇を繰り返さないために、

佐賀県は救急搬送のシステムを改革し、搬送の短縮に成功した

立役者は佐賀県庁に勤める公務員:円城寺雄介(情報・業務改革課)

●救急搬送を変えた公務員

通常、複数の専門医が必要な場合、

一回の電話で搬送先が決まる事はほとんどない

円城寺は、地元の消防署を訪ね、救急車に乗せてもらうように要望

そこで見たのは搬送する病院を探すため、

一軒一軒電話をかける救急隊員の必死な姿

 

もっと早く搬送先を探す方法はないのだろうか?

 

行政、消防、病院が協力し、わずか1年で画期的なシステムが誕生した

●救急搬送システム:99さがネット

タブレットの画面には、あらゆる診療科目が表示されている

まず病院側が、現在 どんな専門医が待機しているか?

をリアルタイムで入力

救急隊員が画面から患者の症状にあった科目を選択すると、

その時点で受け入れ可能な病院が表示される

・病院側の意識を変える秘密

タブレットには各病院の救急患者の受入数と断った件数が表示

受入が多い順に並ぶ、そのアイデアが医師たちの意識を変えた

群馬県ではシステム導入から1ヵ月で、受け入れ不可が3割も減った

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ワールドビジネスサテライトで紹介

 

・オルソリバース:横浜市都筑区

2011年に起業した再生医療のベンチャー

 

●骨に置き換わる綿形状の人工骨:ReBOSSIS(レボシス)

患者の体内に入れた後に全ての成分が

患者自身の骨と置き換わる人工骨

 

オルソリバースが開発したのは、人工骨:ReBOSSIS(レボシス)

骨を構成するカルシウムやリンなどが原料で綿のような形状

 

骨折で欠けた骨の替わりや骨の腫瘍を削り取った穴に埋め込む

 

これまでの人工骨は四角いブロック状のものを

患部の形に合わせて削る手間がかかったり、

逆に細かく砕いた人工骨では

患部からこぼれ出るなどの不便さがあった

 

レボシスは患部の穴に詰めやすい

人工骨は体内で吸収されたり溶けるなどして

時間をかけて骨へと再生される

 

患部に詰められた綿状のレボシスは、

骨を作る成分を体内で吸収する事で

骨の再生スピードを早める事が出来る

 

人工骨の材料をアルコール溶液に

噴射する独自の技術を開発した

これにより綿状にする事に成功

 

アメリカで認可を受け、2015年1月に発売される

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たった1滴の血液で今までは分からなかった

アルツハイマー病の兆しが分かる半導体センサー

 

●血液1滴でアルツハイマー病の兆しが分かる半導体センサー

 

国立長寿医療研究センターと豊橋技術科学大学が共同開発

 

痛みのない市販の採血器で1滴の血液を採り、

半導体センサーにつけると結果がパソコンに出力される

 

従来は病院に行き、試験管1本分の血液を採取し、

結果が出るのは翌週だった

この半導体センサーは自宅に居ながら最短10分で結果が分かる

 

さらにアルツハイマー病以外にも、

がんやインフルエンザなど様々な病気を同時に検査する事が出来る

 

2015年2月に小型化した課程用モデルが完成

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夢の扉+で紹介された肥満治療薬

 

ウミウシから発見されたドレスタチン10は、抗がん作用が確認されている

クロイソカイメンから発見した抗がん物質は、乳がんの治療薬開発につながった

様々な新薬をは開発してきた神奈川大学理学部 上村大輔 教授

 

現在、身体に溜まった脂肪に直接働きかける肥満治療薬は存在しない

 

●藍藻から抽出したヨシノンAを基に開発される肥満治療薬

 

30億年も前から地球に存在する原始生物:藍藻

サンゴや岩に付着して生息する藻の一種

原始地球に酸素を作り出した生物の源ともいえる海洋生物

上村は長年の研究から薬の成分は、

海洋生物が食べたエサの中に含まれてると考えた

そこで食物連鎖の末端である藍藻に注目

 

レプトリングビアは、サンゴの上に薄らと付着する一見 石に見えるモノ

温暖なサンゴ礁海域に生息し、普段は魚や貝などに捕食される

 

藍藻から物質を取り出すには、細かく粉砕し、ろ過する

いくつもの物質が混在した中から、肥満治療に役立つ物質を探し出す

取り出した物質を培養したマウスの脂肪細胞に投与し、その反応を確かめていく

その結果、脂肪を消滅させる物質を発見

 

上村が見つけ出した新物質をシャーレの脂肪細胞に投与すると、

赤く色づけした脂肪分が、見る見るうちに減り、6日で65%も消滅した

上村は、その物質をヨシノンAと名付けた

しかし海洋生物から得られる物質の量は、少ない

 

そこでヨシノンAの化学構造を解明し、

代わりとなるそっくりな物質を見つけ、マウス実験に移行

 

高脂肪食を与えた群、高脂肪食+実験物質を与えた群、

通常のエサを与えた群に分け、5週間観察したところ、

実験物質を摂取した群は、通常のエサの群と同じ体重変化を示した

さらに脂肪の量を計測したところ、

実験物質を食べた群の数値が、一番低くなった

これによりマウスに肥満進行を抑制できることが実証された

 

上村は、人への臨床試験を5年後に目標を定めた

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●痛くないレーザー治療を実現した中空光ファイバー

 

松浦祐司 教授(東北大学)が開発したのが

中空光ファイバーを用いたレーザー伝送システム

直径1㎜以下のガラスチューブの内側に金属や樹脂の薄膜を形成

光はチューブの内面で反射を繰り返しながら、内部の空洞部分を伝搬する

 

普通のガラスファイバーでは伝送できない赤外・紫外などの強力な医療用レーザーを通す事が出来る中空洞の光ファイバー

 

その光ファイバーを利用して作られたのが

虫歯を治療するレーザー治療器

「Erwin AdvErL Evo」

歯の表層にのみ反応し熱が発生しないため、

痛みが非常に少ない

 

この用途を広げ、内視鏡やカテーテルなどへの応用ができ、胃や腸のレーザー治療が容易となる

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一見 普通のメガネだが、

その中には三点式の眼球運動を測るセンサー、

頭の動きを測る加速度センサーが内蔵されている

 

 

このメガネをかける事で何を考えているか?ストレスがどの程度あるか?

体がどう動いているか?などモニターする事が出来る

 

川島隆太 教授(東北大学 加齢医学研究所)とJINSが共同開発

 

本人の感覚とは別に隠された疲れや眠気も見抜くため、

眠くなることが許されないドライバーやパイロットに最適

 

さらに目の動きを検知する事でスマートフォンを操作する事や

体の軸の動きを計測する事が出来る

初期の認知症や精神病は、体のバランスが崩れる症状が表れる

このメガネをかける事で早期の診断治療に役立てる事も可能だという

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