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「食品加工技術」カテゴリーアーカイブ
●おが屑から作るダイエット食品
静岡理工科大学:志村忠夫 教授は、
おが屑を食べられる状態に加工する技術を開発した
木は主に、セルロース、ヘミセルロース、
リグニンという3つの成分でできている
そのうち苦み成分が含まれるヘミセルロース、
リグニンを取り除いて、
良質な食物繊維:セルロースだけを抽出する
おが屑をミルミキサーで細かく粉砕し、ふるいにかける
さらにもう一度ミルミキサーで粉砕し、ふるいにかける
細かくしたおが屑を煮ると、苦み成分は灰汁になる
5分ほど煮沸したら濾す、それを3回繰り返すと
セルロースだけが抽出できる
1日天日干しをすると細かなパウダーに
人間の体はセルロースを吸収しにくいので栄養にはならない
その特徴を生かしダイエット食品をめざし研究を重ねている
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●電波振動で揚げ物を劇的に変える「Dr.Fry」
開発したのは株式会社エバートロン
フライヤーの中に電波振動を起こす「Dr.Fry」を沈めるだけ
「Dr.Fry」を使いながら揚げると、
油や具材の中の水分が1秒間に5万回のスピードで振動
水の粒が小さくなりキメが細かくなる
サクサク、ふわふわな揚げ物が簡単に作れる
「Dr.Fry」の噂は、プロの料理人の間で口コミで広がり、
いまや全国で1000台が稼働中
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●鉄工所で作るプレス食材
ミシュランに掲載された名店がこぞって取り寄せている
それが瀬戸鉄工が作り出したプレス食材「アイパレット」
それはレストランの調理場では、不可能な加工
約60トンの高圧と200~300℃の高温で0.6秒の短時間でプレス
熱を一瞬しか加えないので、熱に弱い栄養素もほぼ失うことがない
食材を0.2ミリという薄さにプレスすることで
食材の細胞が壊れ、旨味と香りが引き出される
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武蔵野科学研究所の開発
ソフテーストを水に溶かして肉に漬け込むだけで
焼いた肉が非常に柔らかくなる
これまで肉を柔らかくするには、
果物の果汁に漬け込んでから焼くのが一般的
これは果物の酵素が、肉の繊維を切っていって柔らかくなる
しかしそれでは肉本来の触感が損なわれる
ソフテーストは線維と線維の間に入って
押し広げることで柔らかくする
肉本来の触感も残し、
さらに調味料のうまみ成分が染み込みやすくなる
主成分は重曹、その他いろいろ
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町の科学屋:佐藤食品工業
醤油やソースなどの調味料はもちろん、
椎茸、リンゴ、ブルーベリー、レモン、イチゴ、ニンジンなど
口に入るものなら何でもパウダーにしてしまう技術を持つ
中でも世界中で佐藤食品工業にしか作れないのが、
●アルコール成分を残したままお酒をパウダー化
世界で初めてアルコール成分を
残したままお酒のパウダー化に成功した
ブランデー、ワイン、日本酒など
お湯に溶かすとほぼ元のブランデーに戻る
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●1年前の牡蠣が食べられるCAS付き冷凍庫の冷凍保存
アビー(千葉県流山市)が開発したCAS付き冷凍庫
凍らせるだけでなく電子、パルス磁界、X波、電界、
磁界、粗密波、光などなど8つの力を加えて鮮度を保つ
元々のアイデアは、過冷却水
過冷却水をヒントにCAS付き冷凍庫を開発した
CAS付き冷凍庫で冷凍する事で
獲った時の鮮度に近い状態のまま保存できる
4年前に冷凍したタコを解凍すると吸盤が指に吸い付いた
3ヵ月前に冷凍したタコだとさらに強く吸い付く
生命体は死んでいるが、細胞は生きている事が分かる
さらに完成した料理を冷凍し、そのまま保存できるようになった
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●骨まで食べられる干物「まるとっと」
骨まで食べられるので従来の干物と比べて40倍のカルシウムが摂取できる
干物加工会社の株式会社キシモト(愛媛東温市)
創業1966年、従業員は35人
良質な地下水があるこの地でアジやホッケなど1日3万匹を干物にしている
高温高圧釜の中に高温の蒸気を循環させながら
圧力をかける事で骨が柔らかくなる
通常の干物を真空パックにして高温高圧釜に入れる
ポイントは骨が柔らかくなる最適な温度と時間を見極めること
魚の種類や大きさによって温度は微妙に異なる
骨は柔らかくても身は弾力を保っている
このバランスが「まるとっと」の凄さ
「まるとっと」は愛媛県産業技術研究所とキシモトなどの共同開発
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