旅客機で初めて音速の壁を超えたコンコルド

マッハ2のスピードでニューヨーク ロンドン間を

現在の半分 3時間半で結んでいた

しかし超音速飛行によって発生した

衝撃波が2回の爆音(ソニックブーム)を生む

その騒音にコンコルドは陸地で超音速を出すことを禁じられ、

飛べたのは海の上だけ、おのずと飛行ルートは限られていた

さらに燃費の悪さも手伝い、2003年、引退に追いやられた

 

●静かな超音速旅客機

JAXA D-SENDプロジェクトチーム:吉田憲治

50人乗りで重量比コンコルドの半分以下、

ソニックブームを1/4に減らすことを目指している

 

空気が振動して波紋ができる、それが音波

音速は、気温15度の標準大気において1225㎞/h、これがマッハ1

音速以下で飛ぶ飛行機の場合、空気でできた音波が機体を囲む

音速を超えると音波が機体の後ろに置いていかれる

音波の淵が連なるところに衝撃波が生まれる

衝撃波は機体の色々なところで発生し、

それが合わさってN型の波形となり地上に2回の爆音となって聞こえる

 

D-SENDプロジェクトチームは、

ソニックブームの原因となる衝撃波をあえてもう一つ発生させた

機体の底にうねりを作り、もう一つの強い衝撃波を作り、

複数の衝撃波を分散させ、ソニックブームを衝撃波を抑えた

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東京大学農学生命科学研究科 細谷将の研究チームが開発

 

●100%フグのオスが生まれる養殖技術

 

フグも人間と同じで性染色体がXYならばオス、XXならばメス

 

オスに女性ホルモンを混ぜたエサを与え、

オスなのに卵が産める偽メスをつくりあげる

偽メスと普通のオスを交配させて

通常ではありえないYYの染色体を持つ超オスを誕生させた

超オスと交配して生まれてくる子供は、

必ずXYの染色体になり、通常のオスしか生まれなくなる

 

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林大輔の大浩研熱の主力製品はエアノズル

これまで空気の流れを自在に操ってきた

不況に喘ぐ町工場が生き残りをかけてマスクメロンを生み出した

 

・まちだシルク農園:東京都町田市

水耕栽培装置をメロン用に改造

通常1つの木から数個しか採れないメロンが60個も実る

名を「まちだシルクメロン」と名付けた

糖度は17度、高級メロンの基準である14度を超える

 

リーマンショックの煽りを受け、町工場は悲鳴を上げた

 

新たな挑戦をすべく2009年、メロンの水耕栽培を始めた

しかし実ったメロンは 収穫する前にことごとく腐ってしまった

腐った原因は、根腐れだった

当時 導入した装置は 水が一直線に流れた

根は一方向にだけ向かって成長したため 固まり腐ったのではないか?

メロンの根に相応しい水の流れを作ればいい

エアノズルが空気をまんべんなく当てるように、

メロンの根 全体に当てれば根は固まらず成長すると仮説

 

新たな水の流れを作る栽培装置の開発に取り掛かった

真ん中の給水口に開発した鉄板を置いた

鉄板の切れ目から4方向の流れが起きる

ゆったりとした水の流れは壁にぶつかり渦となる

水槽に8つの渦が生み出される

同時に小さな渦が発生し、複雑な水の流れとなる

水の流れを一方向から渦に変えたことでメロンは根腐れはなくなった

 

通常1つの木から数個しか採れないメロンが60個も実った

 

さらに独自に肥料をブレンドして糖度を上げていく

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●NASAも米軍も断念した人工クモ糸

人工クモ糸を生産するスパイバーの代表取締役:関山和秀

クモの糸は自然界屈指の丈夫な物質

 

・タフネス比率

鋼鉄:0.8、アミラド繊維(防弾チョッキなど):36、

アメリカジョロウグモ:85、ニワオニグモ:123、

ダーウィンズパークスパイダー:272

同じ大きさと密度なら鋼鉄の340倍の強靭さ

計算上、直径1㎝のクモの糸なら縦横500mのクモの巣で

ジャンボジェットの力を抑えられる

細くて柔らかい、それが人工クモ糸

 

●生産

クモは共食いするため養殖できない

クモが出す糸の材料は、タンパク質

クモ糸のタンパク質を微生物に作らせる技術を確立した

微生物からタンパク質だけを取り出し、クモ糸の原料にした

タンパク質を特殊な液体で溶かし、細い穴から絞り出す

タンパク質100%、石油を使わない線維

 

●用途

・人工クモ糸で編んだ人工血管

タンパク質なので人体への影響が少ない

・フォルム

人工クモ糸は多様な加工が可能で新素材として展開

 

関山の夢は、身の回りにあふれる石油製品を人工クモ糸で作ること

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金沢大学のバイオベンチャー:キュービクスと

金沢大学 消化器内科:金子周一教授らと5年に渡り研究

 

世界で初めて血液細胞が「ガン」に

反応する様子を遺伝子レベルで突き止めた

 

画像診断では、最新のマシンでも5㎜以上のガンしか発見できないが、

マイクロアレイ血液検査は、ガン細胞の初期段階を発見できる

 

発見できるのは、消化器系のガン

胃ガン、大腸ガン、すい臓ガン、胆道ガンなど

 

ガンの有無を判別する精度は、98%

 

ガンが発生すると血液中の細胞の遺伝子:RNAに異変が起こる

その遺伝子が、どのように異変しているかを解析、

どこの臓器にガンがあるかを特定する検査法

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●自身のクローン声でコミュニケーション

ALSなどで後天的に声を失った人のために、

会話補助器の音声を他人の声ではなく

患者自身の声で自動再生する音声合成アプリを提供している

 

国立情報学研究所:山岸順一の研究

 

声のクローンの原型を作ったのは、

イギリスのエディンバラ大学にいたころ

ある女子学生から

「これ病気で声を失ってしまう人たちにも使ってもらったら?」

これをきっかけに本人にそっくりなクローン声の研究が始まる

実は声の再現には、本人の声を数十時間 録音する必要がある

そこで山岸はたくさんの人の声を集めて

声のクローンのベースとなる平均声を作ることに

複数の声のデータから各音の特徴を

関数表現してコンピューターに学習させる

 

●人の声を数式にして平均を割り出す

声を数式にする基礎技術は、名古屋工業大学:徳田恵一 教授が作りだした

集めたすべての声の特徴をコンピューターで平均化すると平均声ができ、

それが声のクローンのベースとなる

 

そっくりの声を作りたい人が、東京出身の40歳の男性だった場合

関東の40歳の男性、数十人の声を集め、その人たちの平均声を作る

そこに男性の声の特徴をかけ合わせれば、そっくりな声が再現できる

 

2009年、喉頭がんで声帯を無くした患者に声のクローンが届けられた

 

山岸の研究は話題になり、平均声を作るためのサンプルを集めるボイスバンクプロジェクトがスタートした

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●おかずを部分的に温められる電子レンジ

 

上智大学 理工学部:堀越智 准教授が開発

 

半導体発振機を利用したマイクロ波発生器を使用

複数の発生器でマイクロ波の波形を

調整する位相制御で温める場所を変える

 

電子レンジの中に付けたカメラで温めた部分を確認し、

温めたい部分だけにマイクロ波を当てている

 

課題は精度

ピンポイントで正確に温めるにはさらに研究が必要

2020年の製品化を目指している

 

これで漬物とサラダが温められなく済むかもしれない

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●プラズマで妖精を描くFairy Lights in Femtoseconds

 

作家:落合信彦の息子で、メディアアーティスト:落合陽一が開発

 

 

焦光点:100ナノメートル単位でレンズやレーザーを配置

 

装置を起動すると空中に様々な形のプラズマが発光

集中照射されたレーザーの強力な電場によって

空気を電離させて発光させている

 

レーザーを制御すれば思い通りの絵を描くことも可能

 

そこには光の輝点が浮いており、触ると実際に触覚を感じる

将来 スイッチや触覚ディスプレイに応用されるかもしれない

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東京大学大学院:牧野泰才が開発

 

 

装置に紙風船を置くと映像を通して隣の装置に映し出される

映像の紙風船を突くと本物の紙風船が落ちる

さらに離れた場所で手と手が触れ合う感覚も得られる

 

●原理は超音波

装置には市販の超音波のスピーカーが1000個

企業と協業で研究を重ねてきた 将来的に離れて暮らす祖父と孫、遠距離恋愛中のカップルなど

実際に会うことができない関係を埋めることができるようになる

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●完全オーダーメイドの美肌菌化粧品

 

腸の中と同じように肌にも善玉菌と悪玉菌が存在する

中でも表皮ブドウ球菌が、肌を保湿、弱酸性に保ってくれ、

別名:美肌菌とも呼ばれる

 

客の一人一人から採取した美肌菌を使って

提供する完全オーダーメイドの化粧品

 

・バイオジェノミクス:長崎県大村市雄ケ原町147-40

東京女子医科大学や長崎国際大学と共同研究し、特許を所得

 

客から採取した美肌菌を培養してパウダーに加工

10億個の美肌菌が入ったパウダーと一緒に化粧水を使い肌に戻す

 

完成までに45日間、価格は半年分で60万円

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