夢の扉+で紹介

●小西聡の1/1000mmマイクロマシン

ワイヤーボンディング技術を用いた空間配列型微小電極プローブ

立命館大学 小西聡が開発するマイクロマシンは電気を使わずに動く

マイクロマシンの関節部分には風船のような袋がついている

空気を送ると袋が膨らみ、指が曲がる仕組み

素材は柔らかいシリコンゴム

 

●0.2mmの生きた細胞組織をつまむマイクロマシーン

再生医科学研究所の田畑泰彦 博士と進めるプロジェクト

小西のマイクロマシーン技術で0.2㎜の細胞組織を掴む

新薬の開発に革命を起こす

新薬の効果を見るには細胞組織を使った実験が有効

その際、ピペットを使い 細胞を吸いこむという作業があるのだが、

ピペットの吸い上げる水流によって細胞の表面が死んだり、潰れたりしてしまう

小西は0.2mmの細胞組織を傷つけずに運べるマイクロマシンを開発

シリコンゴムの柔らかいフィンガーが0.2mmの細胞を掴み上げる

 

これによってあらゆる新薬の開発をスピードアップできる

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夢の扉+で紹介

1906年にノーベル賞を受賞した神経解剖学者:カハール

成熟した脳の神経細胞は死ぬ事はあっても再生することはない

カハールの呪いと謳われた学説は100年に渡り、脳医学の常識とされてきた

 

脳の血管が詰まり、その先の神経細胞が壊死してしまう脳梗塞

半身まひ、言語障害、視力障害などを引き起こし、最悪の場合 死に至る事もある

脳梗塞の新たな治療を研究している先端医療センター:田口明彦 博士

田口の行った臨床試験で、

寝たきりになる可能性のあった重度の脳梗塞患者12人の内9人が歩けるように

 

2009年、研究開始から9年、ついに臨床試験がスタート

患者本人の骨髄液を抽出

骨髄液を分離液と合わせて遠心分離器にかけ、

造血幹細胞を取り出し、静脈注射で投与する

血液のもとになる細胞が血管の中をぐるぐる巡るうちに血管が活性化していく

ダメージを受けた神経細胞の周りには神経のもとになる細胞が現れる

活性化した血管から神経のもとに栄養や酸素を送る事で

細胞は新しい神経に変化することが分かった

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世界一受けたい授業で紹介

世界での活躍が期待される最先端医療

 

手術の際、必要となる輸血用の血液

しかし他人の血液を輸血する場合、

感染症などの様々な副作用の可能性がある

●どんな血液型にも合う長期保存可能な人工赤血球

 

開発したのは奈良県立医科大学:酒井宏水教授

 

人工赤血球は血液型に関係なく使え、感染症の心配もない

 

通常、3週間の保存しかきかない輸血用血液に対し、

人工赤血球は2年以上も保つ血液

 

血液の中で一番大事な成分が赤血球の中にあるヘモグロビン

 

これを期限切れの血液から特殊な方法で取り出し、

人工の細胞膜に移し替える事でどんな血液型にも合う、

長期保存が可能な人工赤血球を作り出す事に成功

 

通常の赤血球と比べると大きさは1/30なので流れもよりスムーズ

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ガイアの夜明けで紹介

 

養豚農家は普通、配合飼料というエサを豚に与えて育てる

主な原料は輸入されるトウモロコシ、大豆粕など

その配合飼料の価格は、2000年以降上昇し、現在では倍近くまで高騰している

2000年の豚肉の1キロ当たりの単価と今の単価はほとんど変わらない

エサ代が高騰することで養豚農家の経営を圧迫している

 

●食品廃棄物をリサイクルした豚のエサ:リキッド発酵飼料

・日本フードエコロジーセンター

画期的なエサを作ったのが社長:高橋巧一氏

日本の畜産農家の現状を知る高橋氏はヨーロッパの養豚業を視察した

そこではチーズを作る際に出るホエイ(乳清)やワイン作りの際に出る

ブドウ粕などを捨てることなく利用し、養豚用に液体のエサを生産していた

それを見て、高橋氏は閃いた

日本向けにアレンジすれば日本の農家にも役立つのではないか?と

帰国後、目をつけたのは食品工場などから出る食品廃棄物

それを利用して豚のエサを作ろうと考えた

2005年、小田急グループのバックアップの下、

日本フードエコロジーセンターを相模原市に開設した

その工場には日々大量の食品廃棄物が持ち込まれる

それは残飯ではなく大量に作りすぎや売れ残りの食品

これで豚のエサを作るとスゴイことが起きた

 

現在、170以上の食品関連企業と契約を結んでいる

食品廃棄物を焼却施設に持っていった場合、

1キロ当たり25~40円を食品会社は支払わなければならない

対して日本フードエコロジーセンターでは1キロ当たり20円で受け入れている

リサイクルをしながらコストダウンになる

 

焼き立てのパンをウリにしているパン屋などの高級バンズ、

コンビニ向けのおにぎりや弁当を製造する工場の大量のご飯…

 

ご飯やパン、麺類などの炭水化物、野菜や果物など、

人間と豚は必要とする栄養素が似ているため、

人が食べる物を豚のエサにするのは理にかなっている

破砕処理を加えるとミキサーで砕いたようなドロドロの状態となる

殺菌、さらに乳酸発酵させて豚のエサ:リキッド発酵飼料が完成する

リキッド発酵飼料は配合飼料の約半額で養豚農家に販売している

 

リキッド発酵飼料で育てられた豚肉は、格段に美味しくなり単価が上がる

トウモロコシと比べると米や小麦はオレイン酸の割合が多い

オレイン酸は不飽和脂肪酸の一つで常温で解ける脂

豚肉の脂が甘く口どけが早い、旨味が増すという

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ガイアの夜明けで紹介

愛媛県産のミカン:清見の収穫最盛期は3~4月

20年前は店頭で1個150円ほどで売られていた「清見」が、

現在では1個100円まで値下がりしている

そのうちミカン農家の手取りは1個当たり30円~40円

経営が成り立たなくなりミカン農家の戸数は半分近くに減っている

 

販売するスーパーでは、

冬の温州ミカンが終わると春には少し大きめのみかんが売り場に一斉に並ぶ

開発が進んだ事で清見が高く売られていた20年前に比べ、品種が格段に増えた

それらの出荷が春に集中するため、ミカン全体に値崩れが起きていた

 

・みかん研究所:愛媛県宇和島市

主任研究員の井上久雄氏が画期的な技術を開発した

●ミカンを新鮮な状態のまま長期保存させる技術

外観や味、香りを変わらないように長期保存できれば、

出荷期間を延長することができミカンの価格の値崩れを防ぐことが出来る

 

カワラヨモギから抽出した液をミカンの皮に塗り、ビニールに入れるだけ

カワラヨモギは漢方薬の原料にも使われ、抗菌作用があり、カビの発生を抑制する

包むビニールには目に見えない小さな穴が開いている

清見の呼吸を適度に抑え劣化を防ぐ

 

・検証実験

何もしない清見と処理を施した清見を温度5度に設定した冷蔵庫に入れる

2か月後、冷蔵庫から取り出してみると…

無処理のミカンは青カビが繁殖したり、シミで変色したりしていたのに対し、

処理を施した清見は以前と全く変わっていなかった

4月、JAにしうわは、この技術を試験的に導入

軍手にカワラヨモギの液を浸し、約4万個に処理を施し、貯蔵冷蔵庫で2か月以上保存した

6月、スーパーでは長期保存した清見が販売、ライバルの品種が少なくなっていたため価格は1個当たり150円

2か月前の1.5倍

ミカン農家の手取りは1個当たり70円~80円、2ヶ月待つだけで倍近い増収になる

画期的なアイデアや技術が苦境の農家を救う

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