年間100万人も命を落とす熱帯熱マラリア
熱帯熱マラリアは年間100万人の死亡者を出す
その7、8割は、0~5歳の子供達ばかり
そもそもマラリアはウイルスでもなければ最近でもない
それはマラリア原虫という寄生虫
髪の毛の1/10ほどの大きさの寄生虫が、
ハマダラカを媒介し体内に入り込む
マラリア原虫は まず肝臓に取り付く
3日~1週間かけて数千倍に増殖
そして赤血球に寄生し、破壊していく
破壊活動を続けながらマラリア原虫は さらに増殖
赤血球が破壊するときに有害な物質が出ることで40度近い高熱を発する
さらに感染した赤血球が血管に詰まることで
腎不全、肺水腫、脳障害を引き起こし、最悪の場合 死に至る
マラリア原虫には抗体が攻撃する標的が数千種類も存在し、
さらにそれが原虫ごとに事あるという
一つのマラリア原虫でワクチンを作っても
他の原虫が現れると標的が変わるため攻撃ができない
そのためマラリアワクチンは不可能に近いと言われてきた
大阪大学微生物病研究所:堀井敏宏は、
マラリア発生地であるにかかわらず
マラリアに発症しにくい人がいることに注目
ウガンダやソロモン諸島で彼らの血液を調査した
あらゆるマラリア原虫に攻撃する抗体が存在するのでは、と考えた
アメリカに留学していた時に
偶然 発見したマラリア原虫のSEARと呼ばれる標的
調べを進めると、たまたまSEARに対して免疫を獲得した人は、
マラリアに感染しないことが分かった
数千種類の標的を持つマラリア原虫だが、
すべてにSERAという同じ標的が存在するのではないか?
そこで堀井は、世界中から445種もの
マラリア原虫を集め、何百と解析を繰り返した
するとすべての原虫が同じSERAを持っていることが分かった
人工的にSERAに対する免疫を誘導すればマラリアに感染しなくなる
132人の臨床試験で72%の予防効果が確認された
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