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セルロースとは植物繊維の一種

それをナノレベル(1/10億m)まで細かくした素材

 

京都大学 生存圏研究所:矢野浩之 教授は、

セルロースを微細化すると優れた特徴を発揮することを発見した

 

●強度

紙の原料となるパルプを水に溶かし、

機械や特殊な化学薬品などを使って細かくほぐす

ノリのような液体を乾かすと、鋼鉄と ほぼ同じ硬さを誇る

 

●耐熱

さらに160度に熱した油に入れると、

わずか10秒でプラスチックは変形するが、

セルロースナノファイバーは耐える

 

●透明なフィルム

またフィルム状にしたセルロースナノファイバーを

特殊な液に浸すと透明になる

 

髪の毛の約1/2万の細さながら抜群の強度を誇る新素材

従来のプラスチックに替わる より性能の優れた材料

今までプラスチックでは入れなかった環境にも入っていく可能性がある

 

ライバルとされるのは、

すでに航空機などで実用化されている炭素繊維

石油や石炭を原料にして作られる

 

一方 セルロースナノファイバーは植物由来

コストでも優位に立つと言われている

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粘土から作り出した粘土フィルム:クレースト

 

その原料は粘土の一種で土壌改良材から化粧品まで

幅広く使われているモンモリロナイト

それを基に産業技術総合研究所の蛯名武雄 博士が研究

粘土から透明なフィルムの開発に成功した

石油由来のプラスチックフィルムが熱に弱いのに対し、

粘土フィルムを350度に加熱したセラミックの板に置いても変化がない

この粘土フィルムを使えば車のエンジンや

工場の配管など高温の環境でも様々なもの保護できる

 

さらに粘土フィルムを薄くすればするほど、

気体を遮る能力が高まることが分かった

通常 粘土の結晶はバラバラに並び隙間だらけだが、

薄くすると整列し、隙間が無くなる

気体は結晶に道を阻まれ、迷路に迷ったように外に出られなくなる

その結晶が何万層にも重なっている

 

天然の粘土からは不純物が多く透明なフィルムは作れなかった

そこで砂から取れる素材に自然界と同じ強い圧力を加え、

粘土を人工的に作り出すことに成功した

それを水で薄めてプレートに流し込み、

乾燥させると透明な粘土フィルムが完成する

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