Category Archives: 農業技術

開発したのは、大日本印刷
 
細かい凹凸状のレンズが組み込まれたフィルム
普通の透明な窓ガラスでは、光はそのまま直進するだけ
しかしDNP採光フィルムは、取り込んだ光を上に屈折させる
夕方になっても明るいため照明を点ける時間が短縮できる
 
他にもDNP農業フィルムは、
ビニールハウスの作業スペースの床に貼るだけで
光を反射させ、葉の裏側にも当てることで
野菜の成長を早め、約2倍の収穫量を実現した

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●野菜が育つ厚さ0.06㎜のフィルム「アイメック」
 
開発したのは、メビオール代表 森有一
 
フィルムには、ナノサイズの穴が空いており
ごくわずかな水と養分を通す
水を吸うと外に流さない性質がある
紙おむつと同じ素材が使われている
 
森は、かつて人工透析のフィルターを研究していた
人工透析のフィルターは、病原菌を通さず、老廃物のみを除去する
フィルムには、その技術が生かされている
水や養分は通しても、病原菌は通さない
 
これまでパプリカ、小松菜、メロン、キュウリまで様々な野菜を栽培してきた
 
2009年、ほとんど雨が降らない中東のドバイでトマトの栽培に成功

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栄養価を自在にコントローする玉川大学のLED野菜
 
・玉川大学 Sci Tech Farm(LED農園)
渡邊博之 教授によると、野菜にLFDの光を当てることで栄養価をコントロールできる
 
そもそも植物は光を浴びて成長する
どんな光を当てるかで見た目や味、栄養価が変化する
中でも赤と青が植物にとって重要な光
 
赤い光は、光合成を促進させ、
甘みの基となるブドウ糖やオリゴ糖が作られ、野菜が甘くなる
 
青い光は、老化予防に効果のある栄養素と野菜のシャキシャキ感をアップ
抗酸化作用のあるビタミンA、C、Eが
通常の野菜と比べ2.6倍以上増加し、美肌効果がアップ
 
さらに青は、野菜にストレスを与える色なので、
青い光を浴びた野菜は、自分の体を守るため
葉や茎が硬くなり、シャキシャキ感が増す
 
LED野菜「夢菜」は、ミシュランの名店で使われるほど注目されている

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林大輔の大浩研熱の主力製品はエアノズル

これまで空気の流れを自在に操ってきた

不況に喘ぐ町工場が生き残りをかけてマスクメロンを生み出した

 

・まちだシルク農園:東京都町田市

水耕栽培装置をメロン用に改造

通常1つの木から数個しか採れないメロンが60個も実る

名を「まちだシルクメロン」と名付けた

糖度は17度、高級メロンの基準である14度を超える

 

リーマンショックの煽りを受け、町工場は悲鳴を上げた

 

新たな挑戦をすべく2009年、メロンの水耕栽培を始めた

しかし実ったメロンは 収穫する前にことごとく腐ってしまった

腐った原因は、根腐れだった

当時 導入した装置は 水が一直線に流れた

根は一方向にだけ向かって成長したため 固まり腐ったのではないか?

メロンの根に相応しい水の流れを作ればいい

エアノズルが空気をまんべんなく当てるように、

メロンの根 全体に当てれば根は固まらず成長すると仮説

 

新たな水の流れを作る栽培装置の開発に取り掛かった

真ん中の給水口に開発した鉄板を置いた

鉄板の切れ目から4方向の流れが起きる

ゆったりとした水の流れは壁にぶつかり渦となる

水槽に8つの渦が生み出される

同時に小さな渦が発生し、複雑な水の流れとなる

水の流れを一方向から渦に変えたことでメロンは根腐れはなくなった

 

通常1つの木から数個しか採れないメロンが60個も実った

 

さらに独自に肥料をブレンドして糖度を上げていく (434)

千葉大学 園芸学部の閉鎖型植物生産研究施設

植物工場の研究をしている後藤英司 教授は、

日々 植物工場の利となる実験に取り組んでいる

 

 

サニーレタスは青色光を強く当てるとポリフェノール類が増える

ビニールハウスで育てたものに比べ、2~2.5倍まで濃度を上げられる

ポリフェノールには抗酸化作用があり、

病気や老化の原因となる活性酸素を取り除く効果がある

 

植物は太陽光より青色光が多いと少しストレスを受けている状態

ストレスを受けていると葉の中で活性酸素が増える

そのままでは酸化してしまう葉を中和するために

抗酸化成分のポリフェノールを増やすメカニズム

 

光合成を促す赤色光とポリフェノールを増やす青色光の割合を

調整しながら実験を繰り返している

光の調整ができるのは植物工場の強みと言える (227)

●土の健康診断で有機野菜栽培を容易に

立命館大学 生命科学部:久保幹 教授

農業の基本は土

久保はそれを科学的分析を行い、

農作物に最適な土壌を作り出す

 

・SOFIX(ソフィックス)

久保が独自に開発した土壌肥沃度診断

田畑の土の状況を科学的に分析する土の健康診断

久保が注目したのは、土の中の微生物

その数が多いほど土の健康状態が良いという

田畑に与えた有機肥料は微生物のエサになる

微生物がそれを窒素やリン、カリウムなどの無機物に分解すると

作物が栄養素として吸収

有機肥料は微生物も作物も元気にする

一方、窒素やリン、カリウムなどの化学肥料を直接与えると

作物を育てる即効性はあるが、微生物のエサにはならない

そのため微生物の数が増える事はない

 

微生物の多い畑で育ったトマトは

1か月経ってもみずみずしいという実験結果も

 

しかし有機肥料の畑にもデメリットはある

収穫量が安定せず再現性が低い

有機農業は教えるのも教わるのも難しく、長年の経験と勘が必要

常に土の状態を見極めなければならない

久保は土1g中にいる全ての微生物のDNAを取り出す事で

その数を引き出す事に成功した

そして土の状態をグラフ化、微生物の数とバランスを青い三角形で表示

同時に土の成分も分析

そうした健康状態を取り戻した土はサラサラでフカフカ

収穫量が増えたトマトは、

抗酸化作用があるリコピンと旨み成分のグルタミン酸が通常の2倍 (3432)

ガイアの夜明けで紹介

愛媛県産のミカン:清見の収穫最盛期は3~4月

20年前は店頭で1個150円ほどで売られていた「清見」が、

現在では1個100円まで値下がりしている

そのうちミカン農家の手取りは1個当たり30円~40円

経営が成り立たなくなりミカン農家の戸数は半分近くに減っている

 

販売するスーパーでは、

冬の温州ミカンが終わると春には少し大きめのみかんが売り場に一斉に並ぶ

開発が進んだ事で清見が高く売られていた20年前に比べ、品種が格段に増えた

それらの出荷が春に集中するため、ミカン全体に値崩れが起きていた

 

・みかん研究所:愛媛県宇和島市

主任研究員の井上久雄氏が画期的な技術を開発した

●ミカンを新鮮な状態のまま長期保存させる技術

外観や味、香りを変わらないように長期保存できれば、

出荷期間を延長することができミカンの価格の値崩れを防ぐことが出来る

 

カワラヨモギから抽出した液をミカンの皮に塗り、ビニールに入れるだけ

カワラヨモギは漢方薬の原料にも使われ、抗菌作用があり、カビの発生を抑制する

包むビニールには目に見えない小さな穴が開いている

清見の呼吸を適度に抑え劣化を防ぐ

 

・検証実験

何もしない清見と処理を施した清見を温度5度に設定した冷蔵庫に入れる

2か月後、冷蔵庫から取り出してみると…

無処理のミカンは青カビが繁殖したり、シミで変色したりしていたのに対し、

処理を施した清見は以前と全く変わっていなかった

4月、JAにしうわは、この技術を試験的に導入

軍手にカワラヨモギの液を浸し、約4万個に処理を施し、貯蔵冷蔵庫で2か月以上保存した

6月、スーパーでは長期保存した清見が販売、ライバルの品種が少なくなっていたため価格は1個当たり150円

2か月前の1.5倍

ミカン農家の手取りは1個当たり70円~80円、2ヶ月待つだけで倍近い増収になる

画期的なアイデアや技術が苦境の農家を救う (1010)

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