医療技術」カテゴリーアーカイブ

開発したのは東北大学 金属材料研究所 千葉晶彦 教授
主な原料は、熱や摩擦に強いコバルト、硬くて腐食に強いクロム
体内に入れる医療機器である人工関節や
義歯用の素材として注目されている
 
これまでもコバルトとクロムの合金は、
医療機器の材料として使われてきたが、
金属アレルギーの問題は避けられなかった
原因は、合金に含まれるニッケル
金属の中でもアレルギーを引き起こしやすいことで知られている
ニッケルには粘りがあり混ぜると
合金の加工性が上がるため使用されている
 
窒素を利用したコバリオンは、
金属アレルギーの原因であるニッケルを使用していない

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開発を進めるのは、国立研究開発法人 農研機構
生物機能利用研究部門:高野誠
 
スギ花粉米とは、スギ花粉の一部を組み込んだ米
 
花粉症とは、花粉が体内に入った時に
花粉を危険な異物だと体が判断し、
追い出そうと過剰反応してしまうアレルギー症状
そのアレルギーを起こす成分を食べ物として
体内に摂りこむことで体が安全なものと認識するようになり、
アレルギー反応が起きにくい体質になる
 
すでに動物実験は成功し、
人が食べて効果を検証する段階に入っている
 
しかし食品ではなく医薬品として開発しているので、
スーパーではなく薬局に並ぶ可能性が高い

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1800年代に重力を利用して投与する点滴用の器具が生まれた
 
現在の吊るす点滴で課題となっているのは、
患者が動きづらいということ
100年以上続く吊るす点滴を変える
 
空間を真空に保つ真空バルブで
国内シェア60%の入江工研(川越市)
 
入江工研が考えたのは、
重力に代わって真空を使って投与する点滴
 
ポンプの中に真空の空間を作り、点滴バッグをセット
空気を送り込むと気圧の差でピストンが動く
その力で点滴を押し出す
 
まだ開発は続く

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●今ある髪の毛を元気にする毛髪再生治療
 
東京医科大学:坪井良治 教授の研究
 
後頭部から10本の毛を採取し、
毛髪の成長に重要な役割を果たす
毛根鞘細胞を100万個レベルに培養
 
薄毛の部分に移植することで
広い範囲に栄養が与えられ太く長い髪になるという
 
1度移植すると広い面積に長い期間有効となる
 
この技術は男性のみならず女性への効果が期待できる
 
資生堂と共同研究を続け、
5年後から6年後の実用化を目指している

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●毛包原基を再生させ移植する薄毛治療
 
理化学研究所、京セラ、オーガンテクノロジーズは、
共同で毛包器官再生による脱毛症の治療に関する研究を開始した
 
生体の毛包から採取した上皮性幹細胞
および間葉性幹細胞を培養させ、
再構成して毛包原基を再生する
器官原基法をマウスを用いて開発させた
 
今後は、人の臨床応用を目指し、研究が始まる
 
現在、女性の薄毛の画期的な治療法はないが、
この技術を使えば自分自身の髪の毛が再生できるかもしれない

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ヌクレオソームとは、がん細胞ができたときに
血液に溶けだす核タンパク質の構造物
 
・株式会社マイテック:兵庫県神戸市
長谷川克之、裕起 親子が7年の研究の末、
昭和大学と共同開発したのが、「プロテオ(Proteo)」
 
血液を数滴 採取するだけで、
がんのリスクがあるか?どうか?を
わずか3分で判定する検査技術
 
採取した血液を分離機にかけ血清を取り出す
血清を特殊なプロテオチップに乗せ、蛍光顕微鏡で判定
 
体内に がん細胞があると免疫細胞が がんを攻撃
その時、ヌクレオソームが血液中に溶けだす
ヌクレオソームに反応するチップを使用することで光を放つ
 
理論的にはステージ0の前、前がん状態からでも検出できる

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岡山大学が開発している人工網膜「OUReP オーレップ」
 
オーレップの原料は、ポリエチレン
 
ポリエチレンに光を電気エネルギーに
変換することができる特殊な色素を
化学的に結合させる色素結合薄膜型の人工網膜
太陽電池にも使われる技術で人工網膜を作る
 
オーレップを網膜に移植するだけで
完全失明の網膜色素変性患者の光を取り戻すことができる
 
臨床実験が始まり、2017年末には
実用化の許可申請を出す可能性がある

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●外部からの刺激で性質が変わるスマートポリマー
開発するのは、物質・材料研究機構:荏原允宏
様々な賢い機能を持つプラスチックを、スマートポリマーと名付けた
1、熱を加えると元の大きさに戻る、また縮んでいるモノを元に戻す
2、磁力を当てると熱を発する。温度も自由に設定することができる
3、バラバラに切っても元の姿に戻る
4、決められた時間になると体内で自然に分解、尿となって排出される
5、狙った物質だけを狙って吸着させる
●磁力を当てると形が変わるシート
大学病院の心臓外科医とは、実用化に向けた共同研究を進めている
小さく丸めて血管を通し、心臓に到達した時点で磁力を当てる
シートは一気に広がり、患部を塞ぐことができる
実現すれば外科手術の必要がない
●決められた時間になると体内で自然に分解、尿となって排出されるシート
神経をつなぎ合わせる手術でも使える
縫合した場所をスマートポリマーで保護するだけで再生を早める
治った後は、溶けて排出されるので安全
●貼る がん治療
繊維に分子レベルで抗がん剤と熱を発する成分が閉じ込めたシート
それをがんの患部に直接 貼り付ける
外から磁力を加えるとスマートポリマーは発熱し、抗がん剤を放出
がん細胞は熱に弱く、約43℃で多くが死滅する
温熱治療と化学療法、2つの相乗効果を狙う新たな がん治療
●災害時で使用する小型透析装置
乾電池で動き、水を使用しない
血液の通り道には、スマートポリマーが設置してある
透析患者から取り除く毒素のひとつ、
クレアチニンだけを選んで吸着させる機能を持たせた
動物実験で6時間 血液を循環させ、
クレアチニンを吸着する効果を確認
次に透析患者の血液を使用し、実験
体内に溜まるクレアチニン1日分の量を
6時間の循環で除去することに成功
荏原いわく「人が想像できることは必ず実現できる」

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今、日本にいる臓器移植希望者は1万4143人、

しかし移植を受けられるのは、わずか315人

 

横浜市立大学大学院 教授:谷口英樹が目指しているのは、

胚芽を送り込んで体の中で臓器化する治療法

 

世界で初めてiPS細胞から立体的なミニ肝臓が誕生させた

本物の肝臓にある複雑な血管も再現された

 

ミニ肝臓=iPS細胞から造る胚芽と呼ばれる肝臓の芽

 

ミニ肝臓をカテーテルで体内に大量に届ければ、

体の中で育ち、やがて傷んだ肝臓の細胞と置き換わる

肝臓病のマウスを使った実験の結果、

何も治療しないマウスの7割は、1か月後に死んでしまったが、

ミニ肝臓を移植したマウスの方は、9割が生き残った

現在、谷口は肝臓に限らず、

腎臓やすい臓など他の臓器でも研究を進めている

 

ミニ肝臓の臨床は、国立成育医療研究センターで行われる

そこは子供の肝臓移植の7割を行っている施設

 

実際の患者の治療には、患者1人にミニ肝臓が数万個必要と考えている

それを製造する施設として

横浜市立大学 先端医学科学研究センターを設立した

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金沢大学のバイオベンチャー:キュービクスと

金沢大学 消化器内科:金子周一教授らと5年に渡り研究

 

世界で初めて血液細胞が「ガン」に

反応する様子を遺伝子レベルで突き止めた

 

画像診断では、最新のマシンでも5㎜以上のガンしか発見できないが、

マイクロアレイ血液検査は、ガン細胞の初期段階を発見できる

 

発見できるのは、消化器系のガン

胃ガン、大腸ガン、すい臓ガン、胆道ガンなど

 

ガンの有無を判別する精度は、98%

 

ガンが発生すると血液中の細胞の遺伝子:RNAに異変が起こる

その遺伝子が、どのように異変しているかを解析、

どこの臓器にガンがあるかを特定する検査法

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